中央防波堤埋立地帰属訴訟に関する大田区長コメント

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更新日:2019年10月4日

松原忠義大田区長コメント

 このたびの中央防波堤埋立地帰属に関する東京地方裁判所の判決に対しましては、控訴しないとの判断に至りました。
 江戸時代から本件係争地域をまさに「生産と生活の場」とし、海苔の養殖などを通じて本区の産業と地域社会を築いてきた先人の皆様や今なおご健在の方々に想いを馳せると、この度の判決結果は、まさに無念千万であります。
 これまでの経過について、ご説明いたします。
 区は平成29年10月に東京都の自治紛争処理委員が示した調停案が不合理であったことからこれを受諾しないこと、そして境界確定のための訴えを提起することを区議会にお諮りし、全会一致のご議決を受け、出訴いたしました。
 去る9月20日に東京地方裁判所の判決が示されました。
 本区への帰属範囲は、東京港臨海道路の道路中心線と、中央防波堤外側その1埋立地の東端線を結ぶ区域とされ、面積の割合は大田区が約20.7%、江東区が約79.3%となります。
 東京都の自治紛争処理委員が示した調停案では、大田区への帰属面積の割合が約13.8%、江東区が約86.2%でございましたので、訴訟の結果、調停案と比べ、大田区の帰属面積はおよそ5割増加したことになります。
 また、同一用途で一体的に利用することが予定されている部分については同一の特別区に帰属させるのが相当であると示され、コンテナ埠頭及びその背後の物流機能を担う部分が大田区に帰属されることになります。
 大田区に示された帰属範囲は、東京都の港湾計画において埠頭用地、港湾関連用地とされております。このことは、国際拠点空港である羽田空港を擁する区としましては、空と海における物流機能エリアが同一自治体に帰属されることになり、大田区はもちろん、東京の国際競争力の強化を考えたとき、大田区民のみならず、都民の皆様全体にも有益なものとなると考えており、司法の判断を仰いだ意義があったものと考えます。
 一方で、区はこの間、冒頭にも申し上げた本件係争地域における江戸時代から連綿と続く海苔養殖などの歴史的沿革を主張してまいりましたが、判決では考慮されませんでした。このことについては残念でなりません。
 今回の判決では、今後、新海面処分場の帰属をめぐり、将来に新たな課題を残したことになります。
 私は今後、帰属をめぐって争いが起こらないようにしなければならないと考えております。
 そのようなことから私は昨日、小池都知事とお会いし、新海面処分場など今後のことについて区の考え方としてお伝えしました。
 判決を受けてからこの間、私はこの判決の取り扱いについて区民の代表である区議会などのご意見を伺いながら、熟慮に熟慮を重ねてまいりました。
 そして73万区民を擁する大田区の行政の長として、今、ここで帰属を確定させ、来年に迫ったオリンピック・パラリンピック大会を迎え、レガシーを後世に残すこと、そして中央防波堤埋立地が区民の皆様にとって、東京全体にとって有益なものになるよう、輝く未来に向けて全力を尽くすことを考えなければならないとの思いに至りました。
 今後につきましては、大田区に帰属することになる区域はもちろん、中央防波堤埋立地を含む臨海部エリアのポテンシャルの一層の向上や魅力創出に向けて、東京都をはじめとした関係機関と一層の連携強化に取り組んでまいります。
 今後とも区民の皆様、そして都民の皆様のご理解・ご協力を賜りたいと存じます。

                                                    令和元年10月3日
                                                    大田区長 松原 忠義

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