令和7年5月28日「大田区長記者会見」
ページ番号:954029047
更新日:2025年5月29日
記者会見当日の様子
区長記者会見資料はこちらから
記者会見の様子は動画でもご覧になれます
会見内容
子育てNo.1都市をめざして
大田区長の鈴木晶雅です。
本日は暑い中、 大田区長記者会見に多数の報道機関の皆様にお越しいただきまして誠にありがとうございます。
5月中旬から夏日となる日があらわれ始め、熱中症に関係するニュースに接する機会が増えてきていると感じています。
大田区では5月15日から区内の公共施設85か所に「涼みどころ」を開設し、ホームページで啓発を始めています。
また、民生委員の皆様のご協力のもと、「ひとり暮らし高齢者」として登録されている方々のお宅に訪問していただき、水分補給の大切さを分かりやすく記載した「うちわ」や、「熱中症予防啓発チラシ」を配布するなど、夏本番にむけて熱中症対策をしっかりと進めていきます。
本日は、3月に策定した新たなシティプロモーション戦略に沿った区の取組や情報を通して、わたくしが区政の一丁目一番地と考えている子育てについて、大田区はNo.1をめざすことを宣言いたします。
区民の皆様に充実した子育て施策や区の魅力などを知っていただき、休みの時間を大田区内の魅力的な施設やスポットで過ごしていただく。それでこそ、「住み続けたい」、「大田区で子育てをしたい」と思っていただけるのではないかと考えます。
「いつまでも住み続けたいまちNo.1」そして、「子育てNo.1都市」をめざし、区民の皆様にとって魅力的で、誰もが健康で住みやすいまちをつくってまいります。
データで示す区の現状
はじめに、区の現状について、データでお示しいたします。
まず、子育て世帯に関する区の現状として、平成27年と令和2年の国勢調査ベースでは、子がいる世帯数が増加しています。
このうち、共働き世帯については約7%の増加率であり、こどもがいる世帯数に比べ4倍以上の増加率となっていることから、働きながら子育てをしている世帯が増えていると言えます。
次に、年齢別の転入・転出者数の状況としましては、20歳から24歳の若年層の転入超過数と0歳から4歳の未就学児の転出超過数がそれぞれ最も大きくなっており、実数としてはどちらも23区で最大です。
社会で活躍をし始める年代層の方には、大田区を選んでいただけているのですが、小さなお子様がいらっしゃる方が多く転出されていることが推測できる結果となっています。
これらの状況を踏まえまして、子育て世帯の日常を強力にサポートし、大田区で生まれ、育ったこども達やそのこどもを含む世帯が区に住み続けられるよう多面的な支援を行っています。
将来を見据えたメリハリのある自治体経営を行い、限られた経営資源を最大限有効に活用し、確かな成果を生み出し続けることで、子育てNo.1都市をめざしていきます。
大田区シティプロモーション戦略
子育てNo.1都市をめざす様々なアクションの起点とするため、新たに策定したシティプロモーション戦略に沿って、まずは大田区の魅力について、ご説明いたします。
今回策定した戦略は、「持続可能な大田区」をめざすために、大田区での暮らしの魅力に着目し、ターゲットを「子育て世帯を中心とした区民」に絞り込み、地域ブランディングによる価値づくり、プロモーションによる価値の発信を行います。
新たなブランドコンセプト 「 わくわくに翼を 」の「 わくわく 」は、区民が笑顔になることをめざした大田区が、5つの『大田区の暮らしの提案』により、区民の暮らしをわくわくなものにすることを表しています。
また、「 翼 」は、大田区が擁する羽田空港から飛び立つ飛行機になぞらえて、区民とともに区の未来をつくる姿勢を表しています。
ブランドメッセージもブランドコンセプトと連動させて、「 わくわくに翼を 」としました。ブランドカラーは、区の花のウメの色を採用しました。
次に本戦略の3つの取組についてです。
「めざす姿」は、区民の地域への愛着度や自慢度を高め、「住み続けたいまちNo.1」をめざします。特に子育て世帯を中心とした区民の幸福度、ウェルビーイングにつながる施策の実施及び大田区の暮らしの発信を強化します。
そして、5つの「大田区の暮らし」を提案し、これに沿ったブランディング・プロモーションを行います。
さらに、プロモーションの核となる部分の「大田区の暮らし」の価値を高めるブランディングを行い、選ばれる自治体への実現を目指していきます。
大田区が提案する5つの暮らし
Life1 世界の近さ
大田区は、日本の空の玄関口である羽田空港があり、国内外から多くの来訪者が期待できる地域です。区内にお住いの外国人の方も多く、大田区の国際性を象徴しています。
なかでも交通アクセスが優れており、JR線、京急線、東急線など、10路線が通り、駅の数も43駅と都内トップクラスとなっています。そのため、都心や横浜等へのアクセスが良く、通勤・通学や買い物等への利便性の良さが、生活環境への満足度につながっています。
また、区内の交通利便性の向上に寄与する新空港線(蒲蒲線)についても、事業化に向けて着々と取組を進めています。
Life2 豊かな自然
大田区には500を超える公園があり、特別区の中でも公園の数が最も多い区になります。
緑豊かな自然が多く、区内最大級の広さで大人気のフィールドアスレチックのある平和の森公園、宿泊できるキャンプ場がある平和島公園、23区で唯一、人工の砂浜がある大森ふるさとの浜辺公園があります。区内はもとより区外の小学校の遠足も多いと伺っております。
小さいお子さんがのびのびと、近所の公園で遊ぶことができ、お休みの日は少し足を延ばせば大型の自然あふれる公園で家族みんなで過ごすことができます。
都会にありながら、魅力ある公園や自然の中で暮らすことができる環境は、大田区ならではと自負しています。
Life3 充実した子育て環境
子育てNo.1都市を目指す大田区として、注目いただきたい子育て施策は、児童館をはじめとするこどもの居場所の充実です。
大田区には44か所の児童館、54か所の放課後ひろばがあり、児童館の年間の利用者数は令和6年3月末時点で23区で2番目に多く、積極的に利用されています。
また、保育施策としては、今後は量の拡大から質の向上へと重点を移し、保育サービスの充実を図ります。
そして、子育て世帯がより身近で、気軽に区の子育て情報を入手できることを目的として、LINE公式アカウントの充実に取り組んでいます。
その他にも、子育て世帯が安心して子どもを産み育てることができる住環境の確保と定住促進を図るため、既存事業の検証や新たな住宅施策の検討にも着手しました。
教育環境では、大田区ならではの教育施策により、区立小中学校の教育は充実しております。
世界とつながる「国際都市おおた」を担うグローバル人材を育成するため、大田区独自の国際教育を推進し、英語による実践的なコミュニケーション能力を育成していきます。
また、予測困難な未来を創造的に生きる力を育成するため、本区独自の教科「おおたの未来づくり」を区立小学校で全面的に実施し、STEAM教育等の教科等横断的な学びにより「創造的な資質・能力」の育成をめざします。
そのほか、すべての児童・生徒が自分らしく生きるための学びの支援などの各種施策に取り組み、笑顔とあたたかさあふれる未来を創り出す力を育てていきます。
防災・防犯対策です。
大田区では、令和7年3月に「大田区高台まちづくり基本方針」を策定し、多様なアプローチにより災害に強い安全・安心なまちづくりを進めています。
また、昨日の大田区議会臨時会で議決いただいた補正予算事業の「住まいの防犯対策緊急補助事業」を実施します。防犯機器等を購入・設置に係る費用について補助を行うことで、個人宅における防犯対策を強力に推進していきます。
Life4 あたたかい人とのつながり
大田区には都内最多の商店街、そして都内最多の銭湯があります。大田区は「温泉天国」と呼ばれ、たくさん動画も配信しています。
臨海部周辺には、黒湯と呼ばれる温泉が広く分布し、古くから銭湯として利用されています。銭湯では、それぞれユニークなお風呂や若い人たちに大人気のサウナや水風呂が多く、日替わりの薬湯や変わり湯などもあり、親子でも楽しむことができます。
また、区内には218の自治会・町会があり、様々な活動を通じて交流や親睦を図っています。これは大田区行政の大きな推進力となっています。
子どもたちは、地域イベントや登下校の見守り活動など、多くの地域の方々に見守られながら、元気に伸びやかに育っています。
他には、大田区子どもガーデンパーティー、OTAふれあいフェスタ、ランニングフェスティバルなど地域の方々と協力したイベントも多く開催していて、こどもから大人まで多くの方々に楽しまれています。
Life5 魅力ある文化・芸術
大田区は歴史・文化の面でも豊かな地域資源を有しています。暮らしの中で、日頃から文化芸術や歴史に触れることで、心豊かな生活を送ることができるのも大田区の大きな魅力の一つです。
特に、子どものころから、美しいものを美しいと感じることができる感性を育む「美育」は、子どもたちの人生を豊かで幸せなものにつなげる、私が大切にしている考えであります。そして「美育」により、こどもたちの感性や美力を高めていきたいと考えています。
区内の貴重な歴史的建造物や文化を守り後世に継承し、歴史を巡り、博物館・美術館や古墳群などをつないで訪れたくなるウォーカブルなまちづくりを推進するために、令和7年度中に都内初となる「大田区歴史的風致維持向上計画」の策定をめざします。
文化芸術では、区内にある美術品や地域資源に誰もが気軽に触れられる機会を積極的に作っています。資料にはワークショップ形式で実施している事業の一部を紹介させていただきました。
このように大田区は利便性、自然、子育て環境、活気・人情、歴史・文化など、多様な魅力を併せ持つ‟東京の縮図“とも呼べる大変魅力のある区です。そしてこれからも発展していきます。
これらの地域資源を活かしながら、「住み続けたいまちNo.1」をめざしていきます。
住まいの防犯対策緊急補助事業
区では区民安全・安心メールによる防犯情報の配信、青色回転灯パトロールカーによる巡回など、安全・安心の確保に努めておりますが、防犯意識が高まっているこの機会を捉え、防犯機器の購入・設置など、ご自宅の防犯対策を行った場合、その費用に対して補助を行う緊急事業を実施し、防犯対策の一層の推進を図ってまいります。
補助事業の概要は資料のとおりです。申請に必要な書類や方法などの詳細は、今後、ホームページなどを通じてご案内いたします。
「ご自身の身は自ら守る」という意識のもと、積極的にこの補助事業をご活用いただき、ご自宅の防犯対策を進めていただければと思います。
キャッシュレス決済ポイント還元キャンペーン
区内の中小個店のデジタル化を図るとともに、区民の利便性の向上と生活を下支えするため、キャッシュレス決済ポイント還元キャンペーンを実施します。
この事業につきましては、物価高騰の影響を鑑み、当初の秋開始を前倒しして準備を進め、8月1日から8月31日までの1か月間を予定しています。
本キャンペーンの活用により、区民の皆様には、便利でお得にお買い物や飲食を楽しんでいただき、店舗の皆様には、売り上げアップや新規顧客の獲得の機会につながるものと考えています。
さらには、短期間に大きな消費の創出が見込まれるため、商店街など地域の消費活動の活性化を期待しているところです。
区としましては、本キャンペーンを通じて、キャッシュレス決済を促進するなど、持続可能な店舗運営を後押しし、区内消費の活性化に取組んでいきます。
子育てNo.1都市の実現に向けた独自の取組
出生届等のオンライン化
大田区では、デジタル技術を活用して一人ひとりのニーズに適した行政サービスの提供をめざしています。特に、子育て世帯からも要望が多い、オンライン申請の導入・拡充を進めています。
これまでに児童手当をはじめとする各種手続きのオンライン化を実施してきました。昨年の省令改正により出生証明書に医師などの電子署名が不要となった「出生届」のオンライン化についても検討を進め、将来的には出生関連手続きをはじめ、一度提出した情報を以降再提出する必要のない「ワンスオンリー」な行政サービスの実現をめざしていきます。
5歳児健康診査の拡充
大田区では、こどもの発達の特性を早期に把握するため、令和6年度からモデル事業を開始しています。今年度はモデルの対象を一部拡大し、現場の実情に寄り添った運営を検証していきます。
加えて、健診後の支援や就学連携のあり方など、専門的な見地からも検討を行うため、今年度より区内3つの医師会及び医療機関等からご推薦をいただきました医師の皆様と区が協議する検討委員会を新たに設置いたします。
令和8年度以降の本格的な実施に向け、モデル事業から得られた結果を十分に検証しながら、切れ目のない健診体制づくりを早期に整備していきます。
区立学校でのアート鑑賞
アート鑑賞を通じ、「こどもたちの人生を豊かで幸せなものにつなげることができる」と私は考えています。例えば、先ほどLife5のスライドの教員研修での「対話鑑賞」導入は、その一例です。
絵画などを鑑賞し、自由に感じたこと、思ったことを意見交換するなかで、主体的に考える力、自分とは違う価値観に触れること、それらを尊重すること等、学級運営やこども同士のコミュニケーションを引き出すのに大切な力を身に着けることができます。他にも、区が所蔵する美術品などを学校で鑑賞する機会を設けることも検討していきます。
区立公園における花火利用の試行実施
区立公園において、8月の夏休み期間中に花火の利用を試行的に実施します。
これまで、公園での花火は火を扱うことからご遠慮いただいていましたが、「子育てNo1都市」を実現するため、親子で花火を楽しんでいただき、夏の思い出づくりにしてほしいと、新たに取り組むこととしました。
利用にあたっての詳細については鋭意検討中ですが、50から60か所の区立公園において、試行的に実施します。
ぜひ、区民の皆様におかれましては、お近くの公園で夏の風物詩である花火を楽しんでいただければと思います。
高台まちづくりの推進
近年の気候変動により、水害が激甚化・頻発化していることなどを踏まえ、区民の生命、財産を保護することを目的に「大田区高台まちづくり基本方針」を策定しました。
本方針では、マイ・タイムラインに基づき、「分散避難」を基本とする考え方を前提としつつ、命を守る緊急避難場所や最低限の避難生活水準を確保できる避難場所、救急救助・災害復旧拠点となる「高台まちづくり」を推進し、子どもたちが安心して暮らせるまちづくりを行います。
始業時間前の居場所づくり
共働き世帯が増加する中、こどもの小学校への進学に伴い、仕事と子育ての両立に支障が出る、いわゆる「小1の壁」が大きな課題となっています。
そこで、保護者の出勤時間に合わせて児童が学校で安全に過ごせるようにするため、まずはモデル校において校門の開門時間を早め、学校職員が出勤するまでの間、シルバー人材センター職員による児童の見守りを実施し、効果検証を行います。
これに必要な予算を第2回定例会において補正予算案として提出する予定です。
おおた20歳の絆応援チケット~区立中学校卒業生のための新たな絆づくり~
本事業については始業前の居場所づくりと合わせて区議会からの強い要望があったことを受け検討を進めてまいりました。
新型コロナウイルス感染症の影響により、令和2年度当時、区立中学校3年生の生徒は特に思い出として心に残る行事である修学旅行が中止となるなど、活動の制限を受けました。
我慢を強いられたこどもたちの思いに寄り添い、当時の区立中学校3年生が今年度20歳を迎えるにあたり、コロナ禍を乗り越えて得た経験を将来につなげるとともに、新たな絆をつくる機会を創出するため、1万円の旅行券または商品券を配布する事業を実施いたします。
本事業についても、必要な予算を第2回定例会において補正予算案として提出する予定です。
今回ご説明させていただいた施策につきましては、物価高騰対策をはじめ、区民の皆様の生活に密接に関わるものばかりです。今後も社会状況の変化に合わせて、迅速な予算措置や対応を行ってまいります。
区民の皆様の安全と安心を何よりも大切にし、いつまでも住み続けたいまちナンバーワンの実現に全力で取り組んでまいります。
大田区平和都市宣言記念事業「平和のつどい」
最後に、大田区平和都市宣言記念事業「平和のつどい」 について、お知らせいたします。
大田区では、昭和59年8月15日に「大田区平和都市宣言」を行って以降、毎年8月15日に大田区平和都市宣言記念事業」として式典を開催するとともに、平和を祈念し花火を打ち上げてまいりました。
今年も8月15日(金曜日)に平和記念式典を開会し、平和の大切さに思いを馳せる機会といたします。さらに、平和祈念花火につきましては8月28日(木曜日)に万全な警備体制のもと実施するため、着実に準備を進めているところです。
平和都市を宣言する自治体として、より多くの区民の方々に平和を希求する役割をしっかりと果たしてまいります。
PDF形式のファイルを開くには、Adobe Acrobat Readerが必要です。
お持ちでない方は、Adobe社から無償でダウンロードできます。
Adobe Acrobat Reader のダウンロードへ

お問い合わせ
広聴広報課
電話:03-5744-1132
FAX :03-5744-1503