OTAシティ・マネジメントレポート（令和4年度決算版）

　現在、急激な物価高騰などにより、区民の日常生活、地域活動、経済活動に大きな影響があります。区は、区民生活に最も身近な基礎自治体として、社会経済状況等を勘案し、物価高騰対策をはじめ、妊娠・出産、子育て、健康、ポストコロナを見据えたにぎわい事業など、区民の暮らしや経済を支える施策を迅速かつ効果的に進めております。
　引き続き、区が直面する課題に対応するとともに、新たな総合計画の策定を見据え、必要性が高い施策をスピード感をもって実施する必要があります。また、刻々と変化する区民の生活や価値観を踏まえつつ、選ばれる都市として、力強い未来への歩みを進めていかなければなりません。
　こうした状況の中で、区民の皆さまに信頼され安心できる行財政運営を推進するためには、財政の健全性を確保することが欠かせません。
　区財政の状況は、基金の適切な積立や特別区債の発行抑制と着実な償還を進め、現状において財政の健全性を維持しています。一方、物価上昇などによる景気の下振れリスク、国による不合理な税制改正の影響や将来の財政需要など区財政を取り巻く環境変化にも柔軟に応えることができる財政対応力を将来に渡って維持していく必要があります。あわせて、区に求められる重要な施策の選択肢を狭めることなく、限りある経営資源を効果的・効率的に配分し、未来志向の戦略的な投資を着実に進める必要があります。
　このレポートは、令和4年度決算をもとに、総務省の定める統一的な基準による財務書類等を作成したものです。現行の決算を補完し財政の透明性を高めるとともに、行政コストの把握や分析などに活用し、区を「経営」する視点のもと、持続可能な自治体経営の実現に向けて取り組んでまいります。

令和5年12月
大田区長　鈴木晶雅