おおた区報WEB版 平成28年6月1日号〔トップページ・特集〕

更新日:2016年6月1日

特集

中央防波堤埋立地の大田区帰属で拓(ひら)く空港臨海部の輝く未来

大田区帰属の実現に向け取り組みを進めています

中央防波堤埋立地の大田区帰属で拓(ひら)く空港臨海部の輝く未来

 城南島と東京港臨海トンネルで結ばれた中央防波堤埋立地(以下、「中防」)は、内側埋立地、外側埋立地、新海面処分場からなる、約989ヘクタールの広大な土地で、広さは大田区の面積の約6分の1に相当します。エリアの一部は、東京2020オリンピック・パラリンピックの際に、ボート、カヌー、馬術の会場となることも決定しています。
 しかし、東京都が埋め立てを進めるこの島は、どこの区に属するのかいまだ決定していません。現在、大田区と江東区が帰属を主張していますが、決着が見えない状況が続いています。そこで区は早期解決のため江東区に協議を申し入れ、歴史的沿革に基づいて、積極的に大田区への全島の帰属を求めています。今後も区民の皆さんと一丸となって取り組みを進めるため、ご理解・ご協力をよろしくお願いします。

Q.現在、「中防」の事務処理はどこが行っているのですか?
A

 特別区が行う事務については、昭和48年と昭和63年に、当時帰属 を主張していた5区によって覚書を取り交わし、江東区が暫定的に行 うことが決められました。
 ただしこの覚書には「(江東区が暫定的に事務を処理するという) 措置は、今後の帰属決定問題にはなんら影響を及ぼすものではない」 と明記されています。

Q.現在、中央防波堤埋立地はどうなっているのですか?
A

 内側埋立地には廃棄物関連施設、風力発電施設など都民の生活を支える施設があります。現在、植樹などによって大規模な「海の森公園(仮称)」の整備が進められており、東京2020オリンピック・パラリンピック会場の整備も始まります。
 外側埋立地では、大規模なコンテナふ頭の整備などが行われています。

大田区は「中防」を有効に活用します!

1.空港臨海部のまちづくり拠点として

 羽田空港を中心とする空港臨海部の機能を強化することは、ますます重要となっており、都は東京港の国際的物流機能を強化するため、「中防」に新しいコンテナふ頭の整備を進めています。
 さらなる発展が期待される羽田空港と東京港の可能性を十分に発揮させるためには、そのバックヤードとなるまちづくりを大田区が総合的に行うことが必要です。大田区による陸(りく)・海(うみ)・空(そら)を結ぶこうしたまちづくりは、日本全体の発展に大きく寄与することになります。

2.区民・都民の憩いの場所として

 東京2020オリンピック・パラリンピックの競技会場の一部は、開催後には区民や都民に親しまれるレクリエーションの場として活用することが期待されています。
 区は都と連携しながら、魅力あふれる広大な水辺の空間を創出し、利用しやすく過ごしやすい憩いの場を提供していきます。

平成27年10月時点での大会時のイメージ図(東京都提供)

中央防波堤埋立地 開発の経緯

昭和48(1973)年 内側埋立地の埋め立てを開始(平成8年にしゅん功認可)
昭和52(1977)年 外側埋立地の埋め立てを開始(現在も埋め立て中)
平成 9 (1997)年 新海面処分場の埋め立てを開始(現在も埋め立て中)
平成14(2002)年 東京港臨海トンネルが開通。城南島と直結する

大田区の主張 「中防」付近の海面は大田区の海苔の歴史と共に

中央防波堤埋立地として埋め立てられた海面の海苔ひび柵数の割合(昭和37年/大田区と江東区に限った比較) 昭和61年、最高裁判所は、自治体の境界決定にあたっては係争地における歴史的沿革が重要である、と判決を示しました。
 今回の係争地の歴史をふりかえると、「中防」の埋め立てが行われる以前、この付近の海面は海苔の養殖場として畑のように区画されていました。海苔養殖に従事する多くの区民が舟で盛んに往来して海苔採りを行う、生産と生活の場となっていたのです。
 そこで区では、昭和45年に刊行の『東京都内湾漁業興亡史』に記載された、区画ごとの漁業協同組合の実績などを検討しました。その結果、大田区内と江東区内の漁業協同組合に限定して海苔ひび柵数を比較すると、9:1の割合となることが判明しました。
 つまり歴史的に見て、大田区と現在「中防」となっている大部分の海との間には、社会・経済的に密接な関係があったことが明らかになりました。


真冬の海で収穫していました。 昭和30年代の海苔養殖場(写真提供:山本海苔研究所)

区のホームページ内「シティニュースおおたバックナンバー」のページで「大田区と海苔養殖」(平成28年5月後半号)がご覧になれます。

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