おおた区報WEB版 令和8年1月1日号〔トップページ・特集〕
更新日:2026年1月1日
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誰もが笑顔でわくわくするまちへ
あけましておめでとうございます。区民の皆さまにおかれましては、新年を健やかにお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
区は、めざすべき将来像を掲げた「大田区基本構想」を策定し、文化や芸術といった、心を豊かにしてくれるものとふれあい、誰もが笑顔でいきいきと暮らすまちづくりをめざしています。
今回の片桐はいりさんとの対談では、文化芸術の魅力を再発見し、心ときめく大田区の暮らしを実感できる内容になっています。大田区に住み続けたい“わくわく”するまちになるように今年1年も全力で取り組んでまいります。この1年が皆さまにとって明るく、幸多き年になりますよう、心からお祈り申し上げます。
大田区長 鈴木 晶雅
まだ知らない、大田区
SPECIAL INTERVIEW 俳優 片桐はいりさん
大田区大森出身。大学在学中に銀座文化劇場(現シネスイッチ銀座)で、もぎりのアルバイトと俳優活動を開始。著書に「わたしのマトカ」「グアテマラの弟」、映画への愛情に満ち溢れたエッセイ「もぎりよ今夜も有難う」は、第82回キネマ旬報ベスト・テン読者賞を受賞。現在も俳優業の傍ら“映画への恩返し”として地元の映画館キネカ大森でもぎりをしたり、キネカ大森先付ショートムービー「もぎりさん」シリーズを制作している。
舞台『未練の幽霊と怪物ー「珊瑚」「円山町」ー』2月13日(金曜日)から3月1日(日曜日)KAAT 神奈川芸術劇場にて、その後、兵庫・新潟・京都にて公演予定。
大田区長×片桐はいりさんが語る「好奇心を刺激する、大田区の文化再発見」
撮影協力:珈琲亭 ルアン
風通しの良い、「東京の勝手口」。大森駅150周年に懸ける思い
鈴木区長(以下、区長):はいりさんは大田区にどんなイメージを持っていますか?
片桐はいりさん(以下、はいり):大田区は本当にいろいろな要素が混ざっています。私は特に、東京の南東角という立地が気に入っているんです。不動産に例えると日当たりも良くていい物件。羽田空港もあるし、都心にもすぐ行ける。ふらっと自由に出入りができるので「勝手口」みたいだなと。私は映画館でも出入口に近い席が好きなんですけれど……だから居心地がいいのかな。
区長:面白い表現ですね。大田区は古くから東海道沿いのまちとして、人々の旅やにぎわいの出発点となり栄えてきました。大森は海苔養殖の発祥の地(注釈1)だったり、町工場での製造業が盛んだったり、生活文化のスタート地点なのだと感じます。それが受け継がれているのか、皆さん生き生きと暮らしていますね。
はいり:人がたくさん歩いて踏み固めた道には、地場のようなエネルギーが残っている気がするんです。だからこのまちが好きなのかも。私の地元・大森も令和8年(2026年)に大森駅開業150周年(注釈2)を迎えます。駅前のキネカ大森(注釈3)のような希少な映画館を守って、一緒にまちを盛り上げていきたいと駅長さんとも話しています。
区長:大森は歴史ある駅ですよね。お隣の蒲田も、かつて松竹キネマ蒲田撮影所(注釈4)があり映画スターが多く住んでいた地域。そうした映画の匂いは、今も地域に残っていると感じます。
はいり:区民の皆さんのお宅に眠る古い写真などを集めて、当時のまちの姿を掘り起こしたり、いろいろできると面白そうですよね。
区長:いいですね。区制80周年(注釈5)を見据え、さまざまな企画を練っていますので、はいりさんの素敵なアイデアをもっといただけたらうれしいです。
「龍の道」を歩き、銭湯でおしゃべり。生活に溶け込む大田カルチャー
はいり:区の文化資源もいろいろありますが、私は龍子記念館が好きです。記念館から池上本門寺までの道を勝手に「龍の道」と名付けて、たまに友人を案内しています。帰りには銭湯(注釈6)に寄ることも。
区長:銭湯は私も好きで、実は銭湯サポーターなんです。大森湯には高温のサウナがあるし、蒲田の銭湯では黒湯の温泉も楽しめます。
はいり:昨夜も改正湯に行きましたよ。ご主人と話し込んでいたら時間がなくなっちゃった(笑)。昔ながらのお店には「ここにしかないもの」がありますよね。開発が進んで、どこも同じような店ばかりになってしまうのは寂しいなと思います。
区長:そうですね。昔ながらの路地裏の雰囲気なども守ってまちづくりをしていきたいです。一方で、若い世代がやりたいことを実現できるような環境づくりも大切です。
はいり:この珈琲亭ルアン(注釈7)は老舗ながら土日には行列ができるほど若者にも人気のお店。せっかく古くからの魅力が残っているので、そこに新しい息吹を吹き込めたらいいですね。喫茶店をやりたい若い人と、譲りたい店主をマッチングするような取り組みとか、どうでしょう。
区長:銭湯でも、店主が引退する際に若い経営者が引き継いで成功している事例が区内にいくつかあります。そういった形で、まちづくりに活かしていきたいですね。
はいり:あとは、城南島にあるART FACTORY城南島(注釈8)や、京浜急行線の高架下にあるシェア工房KOCAなどのアートを感じるスポットにも時々行きます。
区長:山口体験美術館や2月1日に開館する馬込アートギャラリーなど、体験・鑑賞できる施設も増えています。昨今は、蒲田を舞台にした自主制作映画による地域活性化など、区民発の斬新な試みも増えていると聞いています。そうした草の根からのアイデアを、区としても応援したいですね。
住み続けたいと思えるまちへ。「ローカルな面白さ」を次世代へ繋ぐ
はいり:大田区にはローカルな面白さがたくさんあります。これからもその良さを生かした面白みのあるまちになったらいいな。
区長:そうした魅力は、区外や外国人の方にも知ってもらい、ぜひ「もう一度来たい」と思ってもらいたいし、住んでいる方にも変わらずまちの魅力を誇りに思い続けて欲しい。四季折々の見どころも多いんです。年始には池上本門寺の初詣、春には桜坂(注釈9)の桜、初夏には祭礼など……。地域で育まれてきた文化も大切に繋いでいくのが区の役割です。
はいり:お祭りなどは、意外と知らない人もいるかもしれないですね。駅前の整備された街並みだけでなく、裏路地にあるホッとするような魅力も、より多くの人に知ってほしいです。開発が進んでも、「ここにいると安心だ」と思える場所を残してほしいです。
区長:まさにその通りです。区民の皆さんと力を合わせて、地域に根ざした文化や芸術といった方面からも魅力を発信し、皆さんが住み続けたい“わくわく”するまちになるように力を入れていきます。
はいり:区長のお話を聞いて、地場から湧き出てきたエネルギーをしっかりと未来に繋ごうとしてくださっていることがわかり、とても心強いです。ぜひ、よろしくお願いします!
発見!大田区MAP
(注釈1)海苔養殖の発祥の地
大森での海苔の養殖は江戸時代中頃から昭和38年春まで行われていました。東京都沿岸部での海苔づくりが終わった後も海苔問屋が多数残り、海苔流通網の拠点の一つになっています。海苔づくりの歴史や文化は「大森 海苔のふるさと館」で詳しく知ることができます。
(注釈2)大森駅開業150周年
明治9年(1876年)、新橋から横浜間の鉄道開通から4年後に開業。日本考古学の原点とも言える「大森貝塚」の発見、発掘調査に大きく寄与しました。令和8年(2026年)6月12日(金曜日)に開業150年を迎えます。
(注釈3)キネカ大森
日本初のシネコンとして昭和59年(1984年)にオープンしたまちの映画館。はいりさんは現在も時々来館し、来館者に声をかけたり、自身も映画を楽しんだりと、キネカ大森を盛り上げています。
(注釈4)松竹キネマ蒲田撮影所
大正9年(1920年)から約16年間、さまざまな映画が製作されました。当時蒲田には俳優や映画関係者も多く住み、その華やかさは「流行は蒲田から」と言われるほど。跡地は現在の大田区民ホール・アプリコで、文化が次の世代にも受け継がれています。
(注釈5)区制80周年
昭和22年(1947年)3月15日に大森区と蒲田区が合併して誕生した大田区。令和6年に、大田区のめざすべき将来像を掲げた新たな大田区基本構想を策定しました。令和9年(2027年)3月に区制80周年を迎えます。
(注釈6)銭湯
都内最多の銭湯数を誇る大田区。現在は33軒が営業。黒褐色の「黒湯」と呼ばれる温泉が多くの銭湯で楽しめ、区民の憩いの場となっています。
(注釈7)珈琲亭 ルアン
大森駅徒歩3分、レトロな香り漂う純喫茶。はいりさんの行きつけのお店で、よく映画仲間と語り合うそう。ドラマや映画のロケ地としても有名で、連日多くの方が訪れます。
(注釈8)ART FACTORY城南島
城南島にある約3,000平米の倉庫をリノベーションした、都内最大級のアート施設。鑑賞スペースやスタジオがあり、ユニークなアート体験ができます。
(注釈9)桜坂
沼部駅徒歩約5分。桜並木が約100メートル続く坂道は、桜のスポットとして親しまれています。
片桐はいりさんおすすめ!大田の文化を満喫する「龍の道」お散歩プラン
「三度のごはんの次に、映画と散歩が好き」というはいりさん。大田区大森で生まれ育ったはいりさんのおすすめお散歩コースを紹介します。
龍子記念館
近代日本画の巨匠と称される川端龍子(1885-1966)による大迫力の作品群を鑑賞できます。令和7年に生誕140年を迎え、さまざまな企画展が開催されています。
龍子公園
記念館向かいの公園には、川端龍子自らが設計した晩年の邸宅とアトリエがあります。龍子の芸術観を反映させた四季折々の植物が楽しめます。
問合先 龍子記念館(中央4-2-1) 電話・FAX:03-3772-0680
(注釈)龍子記念館、旧川端龍子邸ともに国の登録有形文化財です
池上本門寺
境内にある五重塔は、国の重要文化財に指定されています。祖師堂(大堂)の天井には、川端龍子の絶筆(最後の作品)を見ることができます。
大堂開堂時間:午前5時から午後4時
問合先 池上本門寺(池上1-1-1) 電話:03-3752-2331
改正湯
昭和4年に創業し、水槽のある「魚のいるお風呂屋さん」として長年親しまれています。散歩の締めくくりは銭湯で汗を流してさっぱりと。
営業時間:午後3時から11時30分(金曜日定休)
問合先 改正湯(西蒲田5-10-5) 電話:03-3731-7078
お問い合わせ
広聴広報課
電話:03-5744-1132
FAX :03-5744-1503
メールによるお問い合わせ(広聴広報課広報担当)




