おおた区報WEB版 平成29年12月1日号〔トップページ・特集〕

更新日:2017年12月1日

特集

郷土博物館特別展 野鳥と自然をみつめて

 自然を愛する立場から、野鳥の聖域「東京港野鳥公園」の開園に力を尽くした東京藝術大学名誉教授の堀越保二氏。同氏は、大森に生まれ、変わりゆく大井埋立地に集まる野鳥や里山など、生命と日本の風景を温かなまなざしで描いた日本画家です。
 今回、郷土博物館において大田区の風土が育んだ画家の作品展を平成30年1月7日から3月4日まで開催します。

第1回創画展入選作品「海市(かいし)」昭和49(1974)(注意)海市とは蜃気楼のこと

(左)「夏立ちぬ」平成4(1992)年/(右)「青春の頃」平成16(2004)年

堀越保二(ほりこしやすじ)略歴

堀越保二

昭和14(1939)年
 東京市大森区新井(現・大田区大森北)に生まれる
昭和21(1946)年
 入新井第一国民学校(現・入新井第一小学校)入学
昭和27(1952)年
 大森第二中学校入学。芸術部に入部
昭和34(1959)年
 東京藝術大学美術学部日本画専攻に入学
昭和46(1971)年
 日本野鳥の会会員となり、大井埋立地の自然観察を始める(同年、大井埠頭の埋立完了)
昭和50(1975)年
 大井埋立地自然観察会を立ち上げる
平成18(2006)年
 東京藝術大学を退任。名誉教授に

堀越保二と東京湾の原風景

東京港野鳥公園誕生へ
 かつて大森の海には海苔(のり)ひびが立ち並び、春夏には海水浴や潮干狩りを楽しむ人たちの姿も見られました。堀越氏はこうした東京湾の四季を身近に感じながら育ちました。
 大井埋立地の造成が始まると風景は一変しましたが、いつしか見渡す限りの平原に生き物が戻ってくるようになります。堀越氏は人工の地によみがえった自然にひかれ、仲間と共に「大井埋立自然観察会」を立ち上げました。観察会を重ねるうちに大井埋立地に自然を残そうという運動がどこからともなく起こり、埋立地の変化を良く知る堀越氏はみんなに頼られました。都への働きかけを重ねた結果、昭和53(1978)年には埋立地に野鳥公園が開園。平成元(1989)年の東京港野鳥公園の開園につながったのです。

日本画の大家として
 堀越氏は戦後の新しい日本画の創造をめざして結成された創画会のメンバーであり、若い画家の育成にも力を注ぎました。キャリアの後半には、新潟方面に足を運び、里山など日本の原風景を描いています。

東京港野鳥公園

東京港野鳥公園

 埋立後、雨水がたまってできた池や原っぱを利用して生まれた海上公園。海とつながった池や小川、森林などがあり、年間120種類前後の野鳥が観察されています。

入園料:高校生以上300円、65歳以上・中学生150円(都内在住・在学の中学生無料:要証明)、小学生以下無料
開園時間:2月から10月:午前9時から午後5時、11月から1月:午前9時から午後4時30分
(注意)閉園30分前に入園受付終了。月曜休園

問合先 電話:03-3799-5031(大田区東海3-1)
https://www.tptc.co.jp/park/03_08

郷土博物館特別展「堀越保二 野鳥と自然をみつめて」

日時:1月7日(日曜日)から3月4日(日曜日)《観覧無料》 午前9時から午後5時(月曜休館)

【講演会】
「日本画における堀越保二の世界」
日時:2月4日(日曜日)午後1時30分から4時
講師:東京藝術大学美術館教授 薩摩雅登

「大井埋立地と堀越保二」
日時:2月11日(祝日)午後1時30分から4時
講師:環境省環境カウンセラー・NPO法人リトルターンプロジェクト 増田直也

申込方法:当日会場へ
定員:先着各80名
会場:郷土博物館

ほかにも下記催しを予定しています。(詳細はこちら

「東京港野鳥公園見学会」
日時:2月18日(日曜日)午前10時から正午

企画展「堀越保二の残した野鳥公園 今・昔」
日時:1月7日(日曜日)から3月11日(日曜日)

問合先

郷土博物館 電話:03-3777-1070 FAX:03-3777-1283

お問い合わせ

 広聴広報課 
 電話:03-5744-1132 
 FAX :03-5744-1503
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