令和5年第1回大田区議会臨時会 区長開会あいさつ

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更新日:2023年5月23日

令和5年5月23日
 
 本日、令和5年第1回大田区議会臨時会を招集申し上げましたところ、議員の皆様のご参集を賜り、厚く御礼を申し上げます。はじめに、先日10日、区立中学校の生徒が刺される痛ましい事件が発生いたしました。幸い被害を受けた生徒は一命をとりとめ、現在、順調に回復してきていると聞いております。被害を受けた生徒の1日も早い回復をお祈り申し上げるとともに、心身のケアを万全にしてまいります。この事件を受け、全小・中学校に登校時の安全指導の徹底を改めて呼びかける通知を発出するとともに、臨時校長会にて、教育長が児童・生徒の安全確保について注意喚起を行いました。今後引き続き、学校や警察と連携し、児童・生徒の安全確保を徹底してまいります。
 変わりまして、ここで嬉しいご報告をさせて頂きます。先日19日、大田区は内閣府が公募する、SDGsの理念に沿った取組を推進しようとする都市の中から、特にポテンシャルが高い都市を選定する「SDGs未来都市」に選定されました。その中でも、特に優れた10都市のみに与えられる「自治体SDGsモデル事業」にも選定され、いわゆる「ダブル選定都市」に認定されました。22日には、「SDGs未来都市」選定証授与式に出席し、岡田地方創生担当大臣より選定証をいただいてまいりました。選定に向け区の提案をまとめるにあたっては、環境をはじめとした自治体の持続可能性に向けた取組に明るい学識経験者をはじめ、区内産業の代表者や、金融機関の方などを委員として構成する大田区SDGs推進会議の中で、区の現状・課題、今後取り組むべきことなど縷々議論を重ね、その結果がしっかりと成果として表れたのは、委員の皆様のご助言・ご協力のおかげでもあり、大変感謝いたします。この間、区議会の皆様におかれましてもご支援の程ありがとうございました。今後は大田区が選定されたことやこれから策定するSDGs未来都市計画の内容を積極的にPRし、大田区ブランドの向上、区民や各種団体と連携し、オールおおたでSDGsを推進するための機運醸成を図ってまいります。また、2030年のSDGs達成、そしてその先も続く持続可能な未来の社会を創るのは、まさに子ども達が主役となります。次代を担う子ども達が夢や希望を持って育つよう、妊娠から出産、子育て、教育と切れ目のない支援を着実に行い、誰一人取り残さない、あたたかさ溢れる大田区を築いてまいります。
 さて、議員の皆様には、4月23日に行われました大田区議会議員選挙におきまして、ご当選の栄誉を得られました。心より敬意を表し、お祝いを申し上げます。私自身も、同日の区長選挙におきまして、多くの区民の皆様からのご信託をいただき、第7代大田区長に就任をいたしました。この間のご支援に心から感謝を申し上げるとともに、その責任の重さを実感し、身の引き締まる思いをいたしているところでございます。区民の皆様のご期待にこたえるため全力を尽くし、共に新しい大田区を創ってまいりたいと考えております。ご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
 ただいま押見隆太議員が議長に就任されました。おめでとうございます。押見隆太議長のもと、大田区議会がますます発展され、大田区民のためにご尽力くださいますことを心から願っております。議長並びに議員の皆様とは、十分に協議をし、密に連携を図りながら、区政運営に当たっていく所存でございます。
 本臨時会は、区長としての最初の議会でございますので、今後、区政を運営するにあたっての施政方針を申し述べさせていただきます。私は、当時、衆議院議員であった石原慎太郎代議士のもとで、秘書として社会のために尽くす尊さ、そして「光より早く」という座右の銘から、スピード感ある政策の推進の大切さ等を学び、自らも社会の為になりたい、より多くの人々が幸せに暮らせる社会にしたいという想いを胸に、区議を3期10年、都議を6期16年務めました。大田区は、松原前区長のもと4期16年にわたり、先進的な羽田空港跡地のまちづくりや産業振興とともに福祉施策の充実にも取り組み、健全な財政運営を両立させ、地域力・国際都市おおたを着実に進めてまいりました。私はこれまで区内の隅々を自らの足で歩き、常に区民の皆様の生の声を聴き、活動してきた経験を最大限に活かして、新しい時代に向けた大田区政の扉を自ら先頭に立って切り拓き、将来にわたり持続可能な大田区を築き上げてまいる所存です。
 今回の区長選への立候補にあたりましては、6つのチャレンジとして政策目標を掲げさせていただきました。
 まず1つ目は、子育て・教育を充実し、子育て世代に選ばれる「おおた」を実現することです。少子化・超高齢社会が進行する中、持続可能な大田区を築いていくための活力として、子育て・教育環境の更なる充実は急務であると考えます。小・中学校給食の無償化をはじめ、不登校特例校の新設と多様な学びの場の創出、保育園等入所申請のデジタル化を進めるほか、児童相談所、一時保護所を新設し、虐待を受けている児童への支援体制を再構築するなど、幅広く総合的に取り組んでまいります。
 2つ目に、「おおた」の「都市力」、「魅力」を向上させ、便利で賑わいのあるまちづくりの実現です。新空港線の整備については、区民の皆様のご理解、信頼を得ながら丁寧かつ着実に実現に向け取り組んでまいります。また、あわせて沿線のまちづくりを進めることで更に地域の活性化につなげてまいります。「安全 きれい 居心地のいい」場所を創るため、警察や地域と連携し、駅周辺の防犯対策を強化いたします。民間の活力を生かし、スポーツ、健康、子育て、防災等、多様な機能を有する魅力あふれる公園の整備を進めてまいります。 自治会・町会、区民活動団体など公共的な活動を担う団体への支援を強化するとともに、商店街の特色ある活動を支援、次代を担う若手の育成を進めてまいります。
 3つ目に、あらゆるリスクに備え、安全・安心を実感できるまちづくりの実現です。激甚化・頻発化する自然災害から区民の皆様の生命・財産を守るため、防災力の更なる強化に取り組んでまいります。近年被害の多い特殊詐欺や自転車盗難等の犯罪発生の抑止にも力を入れてまいります。また、令和5年5月8日に感染症法上の取り扱いが2類相当から5類に移行された新型コロナウイルス感染症では、未曽有の事態を、区民の皆様や事業者、区内三医師会をはじめとする医療関係者の皆様のご理解、ご協力のもと乗り越えることができましたことに、厚く御礼申し上げます。まだ、新型コロナウイルス感染症は完全には終息しておりません。引き続き医療機関としっかり連携し、区民生活の安全と安心を守ります。
 4つ目に、一人ひとりが輝く健康と福祉のまちづくりの実現です。「人生100年」時代にある中、健康寿命を延ばすため、医療と介護が連携した在宅サービスの構築、大学や民間と連携した科学的根拠に基づく施策展開など、住み慣れた地域で安心して暮らし続ける「おおた」を築いてまいります。
 5つ目に、経済と環境が両立する持続可能なまちづくりの実現です。「大田区は産業のまちである」との書き出しで始まる産業のまちづくり条例を有する我が区は、国内でも有数の産業集積を誇ります。こうした区の技術とブランド力を着実に育み、経済活力を高めるとともに、中小企業の販路拡大や新製品・新技術の開発の促進を進めてまいります。また、区民生活を支える商店街や黒湯で有名な銭湯など、普段と少し異なる日常を来街者に感じていただくような取組等も進めることで、羽田空港がある地の利を活かしてまいります。これら区内産業の持つ強みと、羽田イノベーションシティでの取組を連携させることで、区内はもちろん、国内外への波及効果を生み出し、地域経済のより一層の活性化を図ってまいります。更に、経済活動との調和を図りながら、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた環境先進都市を築いてまいります。
 最後の6つ目は、わかりやすい、使いやすい、優しい「おおた」の実現です。DXの更なる推進により、区民の皆様が便利で利用しやすい区役所にしてまいります。また、デジタル活用が困難な方にも丁寧でわかりやすい窓口サポートを行い、どなたでも同水準のサービスが受けられる体制を築いてまいります。そして、これら6つの政策目標を中心とした施策を展開していくにあたり財政面からもしっかりと支えていくため、絶えず施策の新陳代謝を図り、質の高い行政サービスを安定的に提供していくとともに、財政の健全性を両立させ、持続可能な自治体経営を推進してまいります。すべての区民の皆様が安心して暮らし、夢や希望を抱き、生きがいを感じることができる、笑顔とあたたかさあふれる大田区の実現に向け、心血を注ぎ取り組んでいく決意でございますため、ご支援、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。以上、施政方針について申し上げました。
 本臨時会には、令和5年度大田区一般会計補正予算(第1次)を提出いたしました。本補正予算案につきましては、区政の継続性を重視した当初予算に加え、社会経済状況等を勘案し、時期を見定め計上する事業に係る予算、社会経済状況を踏まえた物価高騰対策に資する予算、国の物価高克服に向けた追加策や東京都の動向等に速やかに対応するための予算、当初予算編成後に生じた状況の変化に速やかに対応するための予算をそれぞれ計上いたしました。補正予算案の規模は62億1447万5千円となり、当初予算と合わせた補正後の予算額は3209億8311万1千円となっております。
 内容についていくつか述べさせていただきますと、まず喫緊の課題として、物価高騰対策に資する予算では、区民の皆様にお約束していた区立小・中学校の給食費の無償化をはじめ、保育施設運営費及び私立幼稚園における原材料等価格高騰に対する支援、高齢者施設等の事業所への支援を進めるとともに、住民税非課税世帯、低所得の子育て世帯に対する給付事業を行ってまいります。
 健康、子ども・子育て支援に関する予算では、帯状疱疹の発症と重症化を防ぐため、帯状疱疹ワクチンの任意予防接種に係る費用を助成するほか、妊婦健康診査における超音波検査の拡充及び低所得の妊婦に対する初回産科受診料の助成、病児・病後児保育送迎事業などの妊娠、出産、保育の支援に関する経費についても計上しております。
 また、保育所等の送迎バスへの安全装置の設置や飛び出し事故の防止等に係る経費を補助し、安全・安心な保育環境の整備を進めてまいります。更に、私立幼稚園が、送迎バスの置き去り防止のための安全装置を自己負担なく設置していただけるよう補助を行うほか、私立幼稚園が行う施設内外での事故防止のための各種対策に対しても補助を行い、子どもの安全・安心確保の取組を支援してまいります。
 区は、子どもを応援するため、区内外の方々からのご寄付を原資として積み立てている2つの基金を設立しております。まず、大学等進学応援基金を活用して、大学等進学準備給付型奨学金事業として、貸付型奨学金を借入れる方を対象に、入学前の3月に一人15万円を給付いたします。本事業は、令和4年度に、新型コロナウイルス感染症やロシアによるウクライナ侵攻、円安進行等による物価高騰の影響を踏まえ、奨学金を必要とする生徒に支援が行き届くよう、成績基準を平均成績4.3以上から4.0以上に緩和しました。今後も継続して大学等への進学の夢が実現するよう、令和5年度以降も基準4.0以上を維持するため、今回増額の補正予算案を編成したものです。次に、子ども生活応援基金を活用した事業です。区では国が進める「子どもの貧困対策の推進」に基づき策定したおおた子どもの生活応援プランのもと、「子どもが夢や希望を持つことができる地域共生社会の実現」をめざし、子どもの生活応援に取り組んでおります。新規事業として、長期休暇中の子どもの居場所づくりとともに、子どもの生きる力を育む学びや経験の機会の提供に取り組む団体等への補助事業を開始いたします。このような区内外の皆様からのご寄付という大切な気持ちを活用させていただきながら、笑顔とあたたかさあふれる区政をめざしてまいります。
 その他、食事の提供とともに子どもや保護者が安らげる居場所として地域で展開されている「こども食堂」の継続的・安定的な活動を支援するため、「こども食堂推進事業」を引き続き実施します。これらの事業により、地域と連携しながら、子どもや子育て家庭の孤立を防ぎ、地域における子どもの見守り体制を強化してまいります。
 ポストコロナを見据え、にぎわいを創出する予算では、新型コロナウイルス感染症の影響等で開催を見送ってきた大田区平和都市宣言記念事業「花火の祭典」を平成30年度以来、5年ぶりに開催いたします。新スポーツ健康ゾーン活性化事業、ランニング環境の整備事業については、東京2020大会で盛り上がったスポーツへの関心の高まりを受け、ブラジル代表の事前キャンプ地となったビーチバレー場を活用したイベントを実施いたします。
 また、誰もが気軽に参加し楽しむことができるスポーツとして、ランニングの普及を推進してまいります。
 更に、新型コロナウイルス感染症の影響で中止していた、米国セーラム市と北京市朝陽区及び大連市との親善訪問団・青少年訪問団の派遣・受入れを再開いたします。
 龍子記念館企画展については、大田区を拠点として活動する現代アートコレクター等と連携し、川端龍子の作品との地域連携企画展を開催いたします。また、洋画や彫刻、現代アートなど、ジャンルを超えた展示により、龍子の作品の魅力を発信し、幅広い年齢層の来場者に満足いただける展覧会としてまいります。
本臨時会に提出いたしました案件は、一般会計補正予算(第1次)のほか、その他議案5件、報告議案4件でございます。いずれも後ほど上程の際、順次ご説明申し上げます。よろしくご審議、ご決定を賜りますようお願いを申し上げ、招集にあたってのご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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