令和7年度 大田区橋梁耐震整備計画

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更新日:2025年10月30日

大田区橋梁耐震整備計画の改定

 令和元年度に改定した橋梁耐震整備計画に対して、今回の改定では、(1)既設橋梁に対する耐震性能照査、(2)発災後の津波による影響、(3)外形的な基準だけではなくシミュレーション解析を活用した道路ネットワークに対する評価、これら3つの取り組んできた内容を反映し、橋梁耐震整備計画を改定しました。

1.橋梁の概要

 区が管理する橋梁は、令和7年3月時点で158橋(公園管理橋は除く)となっており、1960年代の新潟地震、1970年代の宮城県沖地震が発生した両年代に約半数の78橋が架橋されました。この地震では落橋などの被害が報告され、橋の耐震基準はこれ以降に大幅な改定がなされました。
 その後、1990年代に兵庫県南部地震、2010年代には東北地方太平洋沖地震などの大規模地震が発生し、この大規模地震に耐えうる橋梁とするために耐震基準は改定されつづけており、区でも順次耐震整備を進めている状況です。

図1 管理橋梁の架設年代

2.耐震整備計画に対する進捗

 区で管理している橋梁の約半数は、1960年代、1970年代に架橋されているため、上部構造の落下等に対する致命的な事態を可能な限り早急に防止することを目的に、3つの段階を設けて耐震整備を進めています。また、既設橋梁に対する耐震整備が困難となる場合には、架替えによる耐震整備も進めています。

(1)架替えによる耐震補強
(2)落橋を防止することに着目した耐震補強(段階1)
(3)損傷を限定的に留めることに着目した耐震整備(段階2)
(4)確実に橋梁を使用できることに着目した耐震整備(段階3)
 

耐震整備の進捗状況

(1)架替えによる耐震補強
 開桜小学校へとつながる道路障害物除去路線上の橋梁であり、供用開始から90年を迎え、塩害による劣化や損傷が著しいこと等を踏まえ、架替えにより耐震整備を実施しました。

諏訪橋

(2)落橋を防止することに着目した耐震補強(段階1)
 東海道新幹線と横須賀線の上を跨ぐ、道路障害物除去路線上の橋梁であり、大規模地震発生後における大都市間の鉄道輸送機能を確保することを目的に、耐震整備を実施しました。

新根方

(3)損傷を限定的に留めることに着目した耐震整備(段階2)
 防災船着場に至る河川の上を跨ぎ、耐震性能照査により橋脚と基礎の耐震性能が不足しており、地震により橋脚の倒壊を防止することを目的に、耐震整備を実施しました。

天空

(4)確実に橋梁を使用できることに着目した耐震整備(段階3)
 杭基礎が河床よりも突出した状況となっており、耐震性能照査により基礎の耐震性能が不足し、活荷重に対する耐荷力も不足していることから、既設構造物を活用したU型擁壁への構造改良により、耐震整備を実施しました。

芹が谷

3.優先対策橋梁の選定

 優先的に耐震整備を進める橋梁を「優先対策橋梁」に指定し、この優先対策橋梁から順次、耐震整備を進めて行く計画としています。ただし、橋梁長寿命化修繕計画において修繕を実施する場合には、工事の重複を避けるため、修繕工事においても耐震整備を進めています。
 優先対策橋梁は、鉄道や道路を跨ぐ橋梁、道路ネットワークにおける路線の位置づけ、地震による被災事例等を踏まえ、下表に示す(1)から(10)の条件に該当する橋梁としました。その結果、102橋を優先対策橋梁として選定し、優先的に耐震整備を進めていきます。

各選定条件に合致する橋梁数

4.橋の位置づけと目標とする耐震整備

 優先対策橋梁に対して、橋の位置づけもしくは道路ネットワークにおける路線の位置づけからグルーピングを行い、グループ毎に目標とする耐震整備を定め、進めることを基本といたしました。

(1)優先対策グループ1
 優先対策橋梁の選定条件である、緊急輸送道路、緊急河川敷道路、避難道路上に位置する橋、道路障害物除去路線上に位置する橋。

(2)優先対策グループ2
 優先対策橋梁の選定条件である、防災船着場に至る河川と運河を跨ぐ橋、跨線橋、跨道橋。

(3)優先対策グループ3
 優先対策橋梁の選定条件である、損傷が生じやすい部位を有する橋、社会インフラに影響を与える橋、臨海部の発展を支える橋、災害対応業務に必要な道路利用における経路上の橋。

(4)優先対策グループ4
 優先対策橋梁の選定条件である、区民の徒歩避難行動における経路上の橋。
 

フロー

5.国土強靭化地域計画 内容充実ガイドライン ~事例集~

 令和元年度改定以降に取り組んだ、避難や物流等のシミュレーション解析結果を基にした耐震整備対象の橋梁の優先順位付けが、「国土強靭化地域計画 内容充実ガイドライン ~事例編~ 令和7年2月 内閣官房国土強靭化推進室」に取り上げられています。
 47種の災害対応業務の中から、車両移動を中心に災害対応行動のトリップを業務別に設定し、その災害対応トリップの経路上の橋梁を特定し、耐震整備の優先度評価に反映いたしました。
 また、徒歩での避難行動を対象として、一時集合場所から避難所までの経路を評価し、その経路上の橋梁も特定し、耐震整備の優先度評価に反映いたしました。

6.大田区橋梁耐震整備計画

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FAX :03-5744-1527