特集展示「安西啓明生誕120年 昭和の東京を描く」のご案内
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更新日:2025年8月13日
真正直な日本画家 安西啓明
明治38(1905)年、現東京都八王子市に生まれた安西啓明(本名正男)は、令和7年を以って生誕120年の記念すべき節目の年を迎えます。そこで、本特集展示では安西の代表的な連作『東京シリーズ』をはじめ、昭和の東京を扱った作品及び写生画を展示します。
安西は大正9(1920)年に日本画の広瀬東畝に師事、翌年川端龍子に入門します。展覧会への入選は大正11年の読画会展「雪の旦」を初め、院展では同12年の第9回春の展「鯖」、同15年の第13回再興院展「学校」と続きました。昭和3(1928)年に啓明は龍子の日本美術院脱退と行動を共にし、翌年龍子結成の青龍社に参加。龍子より「啓明」の画号を受けます。第1回青龍社展には自宅(現大田区中央5-7-6)付近の本門寺を描いた作品などを出品。以後青龍社展では数々の受賞歴を誇り、龍子の画塾御形塾の塾頭も務めました。
昭和20年6月には新京芸術院の開校で東洋画教授として満州にわたりますが、終戦で帰国。戦後は日本の建築物や急速に変貌する東京の街並みを主題とした風景画に取り組みました。その傍ら室生犀星「杏っ子」等の新聞連載小説の挿絵も手掛け、昭和36年には青明会を主宰して後進の育成にも尽力します。昭和41年4月の龍子没後に青龍社は解散。以降は無所属として活躍しました。
今回主題とする「昭和」は20世紀の大半を占めますが、その間の東京は大規模空襲による焦土化と復興・発展を経験するなど、目まぐるしい変貌を遂げてきました。こうした大都市の新旧の姿を記録することは有意義かつ貴重な仕事といえるのではないでしょうか。安西は真正直な嘘の付けない態度で、こうした変貌する昭和の東京風景を記録してきたのです。郷愁を誘う詩情豊かな東京の風景を安西の描いた作品を通じてご覧ください。
展示風景 (1)
展示風景 (2)
安西啓明「お濠石垣と白鳥」『東京シリーズ』 昭和35(1960)年1月作
安西啓明「お濠石垣と白鳥」『東京シリーズ』 昭和35(1960)年1月作
会期
令和7年8月31日(日曜日)まで
開館時間
午前9時から午後5時まで
会場
郷土博物館 3階馬込文士村コーナー
入館料
無料
休館日
月曜日(ただし、休・祝日の場合は開館し、振替休館は行いません)
お問い合わせ
大田区南馬込五丁目11番13号
電話:03-3777-1070
FAX :03-3777-1283
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