特集展示「戦争と芸術家-川瀬巴水・矢島甲子太郎・安西啓明の場合-」のご案内
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更新日:2025年8月12日
戦時一色の暮らし
昭和6(1931)年は平穏な国内に比べ、中国大陸で満州事変が勃発、日本軍前線が拡大していく年でした。そして、昭和12年に日中戦争が勃発すると、本格的な国家総動員体制に日本国内が突入します。とりわけ昭和13年の国家総動員法施行は、人的および物的資源、交通通信手段などの統制・動員を可能としており、人々の生活に大きな影響を与えました。
また、国は隣保相扶に基づく「町会」を行政の末端において銃後を補完する組織と位置付けます。さらに5~20戸を1単位とした「隣組」を町会内に設置することを定めました。こうして制度化された町会・隣組は、その後の本格的な戦時体制下で食糧・生活物資の配給、あるいは貯蓄運動・防空演習などあらゆる地域生活面において不可欠な存在として機能していくのです。
東京への大規模空襲は昭和19年7月のサイパン島陥落以降、11月から開始。大田区域は12月より複数回の空襲にさらされます。最大の被害が出たのは4月15・16日の空襲で、大森・蒲田両区を中心とする城南地域は大きな被害を受けました。
本展では大田区ゆかりの3人の芸術家を取り上げ、芸術家といえども戦争とは無関係ではいられなかった現実を彼等が遺した日記類に基づき描き出すことを試みます。昭和20年8月15日に終戦を迎えてから今年で80年。戦争を直接経験した世代が減少しつつあるなかで、展示を通じて戦争被害の深刻さと、その対極に位置する恒久平和の大切さを伝えることができれば幸いです。
展示風景
国民服姿の川瀬巴水
矢島甲子太郎『表紙欠(隣組回覧覚録 続)』昭和20(1945)年1月1日
安西啓明スケッチ「遮光」昭和18(1943)年9月17日
会期
令和7年9月28日(日曜日)まで
開館時間
午前9時から午後5時まで
会場
郷土博物館 3階特集展示コーナー
入館料
無料
休館日
月曜日(ただし、休・祝日の場合は開館し、振替休館は行いません)
お問い合わせ
大田区南馬込五丁目11番13号
電話:03-3777-1070
FAX :03-3777-1283
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