光化学スモッグについて

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更新日:2020年3月3日

光化学スモッグとは

 工場や事業場あるいは自動車などから大気中に排出された窒素酸化物(NOx)と炭化水素(HC)は、太陽光線に含まれる紫外線を受けて化学反応(光化学反応)を起こして変質し、「光化学オキシダント」と総称されるオゾン(O3)、アルデヒド、パーオキシアセチルナイトレート(PAN)などの酸化性物質が生成されます。
 夏、日射が強く、気温が高く、風が弱いなどの気象条件が重なった場合には、光化学反応によって生成されたこれらの物質が、大気中で拡散されずに(薄まらずに)滞留します。その結果、空が霞んで、白いモヤがかかったような状態になることがあり、遠くの山や建物などが霞んで見えにくくなることがあります。この状態のことを「光化学スモッグ」が発生しているといいます。
 光化学オキシダントが高濃度となる場合には、目や呼吸器などの粘膜を刺激して、健康被害が発生することがあります。

光化学スモッグの特徴

 光化学スモッグには、他の大気汚染現象とは異なる次のような特徴があります。
1 光化学スモッグは、大気中に排出された窒素酸化物と炭化水素が、太陽の強い紫外線を浴びて高濃度の光化学オキシダントに変質した結果発生するもので、風が弱く紫外線の強い夏の日中に発生することが特徴です。したがって、紫外線の弱い冬あるいは太陽の出ていない夜間には発生しません。
  一方、二酸化窒素(NO2)など他の大気汚染物質は、大気が「安定」(汚染物質が大気中に拡散しにくい気象条件)状態となりやすい11月~1月の冬に濃度が高くなります。
2 風とともに汚染物質を含んだ空気が移動するので、特に大きな発生源がなく、二酸化窒素など他の汚染物質の濃度が低い地域でも光化学オキシダントが高濃度となることがあります。

健康被害の防止

1 健康被害の症状
(1)目の症状(目がチカチカする、目が痛い、涙が出る等)
(2)呼吸器の症状(喉が痛い、せきが出る、息苦しい等)
(3)その他の症状(吐き気、頭痛等)
これらの症状の大部分は比較的軽症の一過性のものであり、被害の発生場所は屋外がほとんどです。
重い症状を訴えるのは、多くの場合、屋外での運動中の被害ですが、同じ状況にあっても症状がでない人もあり、個人差があります。
2 光化学スモッグが発生した時
光化学スモッグの健康被害者は、子どもたちに多いのが特徴です。子どもたちの健康被害を未然に防ぐため、次のことを実行してください。
(1)健康上注意を要する子ども及び当日身体の調子が悪い子どもは屋内で休ませてください。
(2)過激な運動はなるべく避けてください。
(3)なるべく窓を閉めてください。
(4)自動車の利用はできる限り控えてください。
3 健康被害が発生した時
健康被害が発生した場合は、次の事項に留意して、速やかに適切な措置をとってください。
(1)屋外での運動をすべて中止し、屋内に避難し、水で洗眼、うがいをしてください。また、屋内ではなるべく窓を閉めてください。
(2)手足のしびれ、呼吸困難、失神等の症状が発生した場合は、医師の手当を受けてください。
(3)眼疾患、呼吸器疾患、甲状腺機能亢進(こうしん)症、アレルギー体質等の子どもは、特に健康被害を受けやすいといわれていますので、異常を感じた場合は、医師の手当を受けてください。
(4)被害を受けた子どもが、被害について心理的な影響を受けることも考えられますので、動揺を与えないように配慮してください。
4 健康被害の届出
健康被害が発生した場合は、最寄りの地域健康課に届出が必要です。休日の場合は、東京都保健医療情報センターに連絡をしてください。

お問い合わせ

環境対策課
環境調査指導担当
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